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源静香(みなもと しずか)は、藤子・F・不二雄の漫画作品「ドラえもん」に登場する架空の人物。同作品のヒロインであり、主人公野比のび太が憧れるクラスメイト。

設定 編集

周囲の人物からの呼称は、原作では「しずちゃん」と呼ばれているがアニメ版では「しずかちゃん」が定着している[1]。 父親・母親からは「しずか」と呼び捨てで呼ばれている。なお、初期ではジャイアン・スネ夫からも「しずか」と呼ばれたことがあった。

彼女が他の登場人物を呼ぶ場合、原作の大半とそれに倣った現在のテレビ朝日版アニメでは、ドラえもん、のび太、スネ夫ジャイアンをそれぞれ「ドラちゃん」、「のび太さん」、「スネ夫さん」、「たけしさん」など、概ね「さん」付けで呼んでいる。テレビ朝日版アニメの初期では「さん」付けではなく、「のび太くん」「たけしくん」など「くん」付けで呼んでいた。原作でも初期ではドラえもんのことも「ドラえもんさん」、「ドラえもん」と呼んでいた(2巻「ロボ子が愛してる」では「野比くん」と呼んでいる)。その他にも、原作中に、ジャイアンを「ジャイアンさん」などと呼んでいた時期もあった[2]。またアニメ2作1期の初期では「ジャイアン」と呼び捨てにしていた時期もあった。

のび太との身長差に関する描写は、相対的に高く描かれることもあれば低く描かれることもあり、一定しない。

原作の誕生日に関する場面は、こたつがあったり、半袖だったりと一定でない。アニメでは誕生日の設定は定かでないものの、誕生月を5月とする描写がみられる。

歌手郷ひろみ[3]、天野星夫[4]、西条ひろみ[5]、郷ヒデキ[6]、タレントのトシちゃん(または田原のトンちゃん[7])、玉木宏[8]速水もこみち[9]福山雅秋(福山雅治)の大ファン[10]

美容には気を遣っており、「顔の美容体操」を行っている[11]

学業および運動神経 編集

成績は良く、先生から「きみの成績は最近ますますあがって……」などと褒められるシーンがたびたび登場する。しかし、出木杉よりはやや劣るようで、彼がしずかに勉強を教えることはあっても、その逆はない。テストで85点を取って母親に叱られたこともある[12]スネ夫のように学習塾には通っていないが、家庭教師がついている[13]

運動をする場面が描かれたことは少ないが、ひみつ道具でのび太の体と入れ替わったときには、野球で活躍したり木登りにチャレンジしたりするなど[14]、もともとの運動神経は悪くないようであり、ときにはのび太以上に快活な振る舞いを見せることもある。また、ドラえもんの道具「正かくグラフ」によると、のび太、しずか、スネ夫、ジャイアンの中では3番目に力持ちだとされる。

性格 編集

基本的に真面目でおしとやかで誰にでも優しい。困った人を見かけると放っておけず[15]、ひみつ道具の強烈な妨害をはねのけて、のび太を助けたこともあった[16]。しかし一方で、他の登場人物に比べて現実的でかなりドライな一面も見せることもある。またひみつ道具でのび太の姿になった時の行動や、ジャイアンやスネ夫といったわんぱくな男の子と連れだっていることから、お転婆な一面を兼ね備えているようでもある。

出木杉と一緒にいるとのび太が嫉妬して来るパターンが非常に多いが、アニメや劇場版ではのび太に気があると匂わせる描写が多い。勉強もスポーツも何でもできる出木杉には好意を持っているようであり、一時期は交換日記までしていたこともあった。[17]

おしとやかなイメージが強いが、上記の経緯でしずかの姿となったのび太が、行儀の悪さをしずかの母親に厳しく叱られている[14]。実のところ周囲の目の届かないところでは、ピーナッツを投げ食いしていたり[18]、寝転がって物を食べたり[19]といった姿も見られる。両親が泊まりがけで出かけたときなどは大っぴらに夜更かしできることを喜び、「いっぺん見てみたかったのよね」などといってテレビの深夜放送を盗み見たりもしていた[20]。また「ピアノのおけいこさぼっちゃった」とあっさり言い放ってレッスンを抜けたり、ピアノの稽古中に泣きべそをかいていることもある。

人形やぬいぐるみが好きで、かなりの数をもっているようである。好きなフィクションのジャンルは女の子らしくメルヘンやファンタジーで、暴力的なものや戦争関連は嫌い。しかしSF方面に強い一面もある(「ドラえもん のび太と鉄人兵団」「ドラえもん のび太とアニマル惑星」など)。

また、大好物の焼き芋のことを他の人に言われると怒り出す。

性格の変化 編集

連載初期のしずかは後期とは性格がかなり異なっている面があり、ジャイアンやスネ夫の意地悪に際して一緒になってのび太を嘲笑したり仲間はずれにすることもよくあった。また、かなりぶっきらぼうな言動を取ることも多かった。

例としては「クラスで一番わすれんぼのあんたが? ホホホ」と、のび太を「あんた」と呼び、腹を抱えて大笑いするシーンがある[21]。そのほか「あんたの家が火事よ!」[22]、「あんたが生き返らせるって言ったでしょう」[23]、「あんたはクラスでも有名なへたくそなのよ」[24]といった台詞が挙げられる。時にはのび太のことを真顔で「ばかじゃないかしら」と言ったこともある[25]

しかし、後期の作品では、スネ夫がのび太を仲間はずれにしようとすると「それなら私も行かないわ、仲間はずれする人きらい」…とのび太に味方する描写も増えた[26]

入浴 編集

風呂が好きで、1日に3回は必ず入浴する[27]。そのため、昼間から入っている場合もある。映画『ドラえもん のび太の宇宙小戦争』では、母親が夕食前(3〜4時頃)に入浴を促している。作中では、のび太がどこでもドアなどの道具で移動した場合、しずかが入浴中の源家の浴室に出たり、透視するような道具を使うと入浴中というのは一種の定番のギャグとなっている(気付かれた後は「のび太さんのエッチ!!」と言われ、洗面器のお湯を浴びされて追い出される(風呂桶を投げつけられる場合もある)。原作本の序盤では静香の胸は平らだった[28]が原作本中盤から胸のふくらみがあることが確認できる。これはBSマンガ夜話第11弾ドラえもん特集でいしかわじゅんが採り上げている。現在のわさび版アニメでは自主規制により、パンチラと共に入浴シーンはめったに見かけなくなったが、劇場版ではこの限りではない。しずかも慣れたためか、あまり叫ばなかったり、[29]まったく嫌がらない[30]こともある。 また、この風呂好きが時に大きな役に立つ事もある。[31]

習いごと 編集

バイオリンをたしなむが、その腕前は極めて下手で演奏を聞いたのび太があぶら汗をかくほど[32]。のび太はこれを「ジャイアンの歌といい勝負」だと評しており[33]、現にアニメ第2作第2期「ドラえもんVSドラキュラ」(2008年5月9日・16日放送)、『ドラえもん4 のび太と月の王国』ではジャイアンの歌同様、敵に対する攻撃方法として登場している(「ドラえもんVSドラキュラ」のラストでは、ジャイアンと共演してコンサートを開いた)。なお、原作初期では美しい音色を出していたこともあった[34]

ピアノも習っており、そちらは上手だが、本人はバイオリンの方が好き。しかし母親はしずかをピアニストにするのが夢なので、母と衝突することもある[35]。だが未来の描写でしずかがピアニストになっているものはない。その他、バレエを習った経験もある[36]

嗜好 編集

1番の好物は焼き芋方倉設定ではふかし芋)。作中で度々しずかがイモを食べている描写があり、ドラえもんやのび太がしずかの家に行った際おやつに焼き芋が出たほど[37]だが、当人はイメージ・ダウンを恐れて秘密にしている。(それは擬似人格もなかなか喋らないほど)のび太やドラえもんも、ひみつ道具で本心を探るまで好物のことを知らず、道具を使った擬似人格からむりやり聞き出して大量の焼き芋をプレゼントした2人は激怒されたが、彼らはなぜ怒るのかしずかの気持ちが理解できなかった。なおその疑似人格によれば、2番目の好物はチーズケーキ、3番目は寿司[38]ホットケーキもしくはパンケーキスパゲッティ類を好んで食べることがある[39]

また、たまにクッキーを焼いてのび太たちに御馳走し評判もいいが、普段は母親にも手伝ってもらっているということであり、一人で作った時は砂糖を間違えるミスをしたりオーブンで焼く時間を間違えて焦がしてしまうなど料理の腕前は定かではない。

カエルが大嫌い[40]で、見ただけで絶叫して飛び出すほど。他にクモミミズなど、女の子が嫌がりそうな生き物はたいてい嫌がる[41]。また、雷が苦手だったり[42]、怖いものに地震を挙げたり[43]、歯医者から逃げ回ったりしている[44]など苦手なものは多い。

血縁 編集

両親の名前は不明だが、表札に「源義雄」と父親の名前が書かれていたことがある[45]。アニメでは、父親の顔や形が統一されていなかった時期がある[46]。母親は原作ではやや太っていてあまり美人とは言い難い容姿だが、アニメではしずかをそのまま成長させたような姿をしている。

親戚には、美術評論家のおじさん[47]、のび太が一目惚れするほど美少女の従姉妹[48]鉄道ファン北海道に住むいとこがいる。

また、カナリアを飼っておりよく逃げ出してのび太たちに探すのを手伝ってもらうこともある。このカナリアは地球を救ったこともある[49]が、回によっては野良猫のクロ等に食べられたりして[50]死んでいることも多い。

そのほか鳥では文鳥[51]ジュウシマツ[52]、インコ、オウムを飼っていたことがある。連載初期~中期では柴犬をよく飼っており、ペロ[53]、チロ[54]、シロ[55]という名前がいた。名称は不明だが連載初期にはトラネコを飼っていたこともある[56]

血縁関係は不明だが、戦国時代に領主の家に「おしず」という人物が奉公していた。

              源家

            義雄━┳━母
               ┃
 野比家  野比のび太━┳━静香
            ┃
          ノビスケ

将来 編集

夢はスチュワーデス看護師保育士外交官など[57]

将来はのび太と、大学時代の雪山での遭難事故がきっかけで(「そばにいてあげないと危くてしょうがない」という理由で)結婚[58]し、息子としてノビスケをもうけることとなる。

ペット 編集

イヌの「ペロ」(話によっては「シロ」だったり、「チロ」だったりする)とカナリヤの「ピー子ちゃん」とそれとは別の小鳥の「チッチ」を飼っている。

ペロ
しずかが幼児の時に家に来て、それ以来、しずかとは大の仲良しだった。それはしずかが危ないときは命がけで戦ってくれたほどである。病気にかかって一度死んだが[59]、ドラえもんの「万病薬」の力で生き返る。話によっては、子犬だったりする[60]
ピー子ちゃん
よく巣から逃げ出してはしずかを困らせている。一度、ガスストーブのガス管が外れているのをしずかに知らせた事もある[61]
チッチ
12巻「ペットそっくりまんじゅう」のみの登場。器量よしでとても声がいいとのこと。

この他にもネコを飼っていた事もあるが、名前は不明[62]。また、8巻「わらってくらそう」では小鳥が死んだといっているが、名前は不明である。他にもペットのカナリアを野良猫に食べられている[63]

その他 編集

モデルは作者の妻の藤本正子[64]という説もあるが、源義経側室静御前がモデルだという説もある。

アニメでの担当声優は、1973年日本テレビ版では恵比寿まさ子1979年からのテレビ朝日版では、2005年3月までは野村道子4月からかかずゆみが担当。野村道子は日本テレビ版にも別役で出演していたらしいが役名は不明。舞台版『ドラえもん のび太とアニマル惑星』での演じた俳優はすほうれいこ

雑誌「小学四年生」1970年1月号(1969年12月発売)の「ドラえもん」の連載開始当初は、名前が「しず子」とされておりのび太は「しず子さん」と呼んでいた(「しず子」という表記は単行本には未収録)。「しずか」の名前に変更されたのは、連載開始から2年後「小学四年生」1972年2月号掲載の「のび太のおよめさん」(てんとう虫コミックス6巻収録)からである。名字の「源」もこの時が初出であった。ドラえもんのゲーム内でのしずかは大抵スモールライトを武器にする(シリーズによってはこけおどし手投げ弾等を使う)。

2006年の、のび太の誕生日に合わせた特番のミニコーナーでは、のび太がペ・ヨンジュン南海キャンディーズ山ちゃんに扮した芸に合わせて、しずちゃんの仮装を披露した。

フジテレビ系列の『トリビアの泉 〜素晴らしきムダ知識〜』の企画「トリビアの影ナレ」では、野村道子がしずかの声で担当した。

コミックス初期巻では、しずかと同じ姿をした「みよちゃん」なる女性が存在する。この情報についてはドラミ#誕生から現在までを参照(後年の版では台詞が修正されている)。

脚注 編集

  • 特記のない「x巻」は、てんとう虫コミックス『ドラえもん』の単行本の巻数を表す。
  1. 出演声優が「『しずちゃん』は言いにくい」との理由でスタッフと協議して「しずかちゃん」にしたとする説、「しずちゃん」では実際に発声すると響きがよくないという理由から「しずかちゃん」にしたとする説がある。
  2. 14巻「ムードもりあげ楽団登場!」など。
  3. 1巻「○○が××と△△する」
  4. 2巻「出さない手紙の返事をもらう方法」
  5. 9巻「ジ~ンと感動する話」
  6. 19巻「影とりプロジェクター」
  7. 29巻「翼ちゃんがうちへきた」他
  8. 水田わさび版アニメ「しずかちゃんの心の秘密」
  9. 水田わさび版アニメ「キャンディーなめてジ~ンと感動しよう!」
  10. 水田わさび版アニメ「ほんもの3Dテレビ」
  11. 15巻「こっそりカメラ」
  12. 21巻「ハッピープロムナード」
  13. 17巻「タッチ手ぶくろ」、藤子不二雄ランド4巻「にっくきあいつ」、藤子不二雄ランド34巻「身がわりバー」
  14. 14.0 14.1 42巻「男女入れかえ物語」
  15. 26巻「魔女っ子しずちゃん」、28巻「神さまロボットに愛の手を!」
  16. 32巻「しずちゃんさようなら」
  17. 23巻「透視シールで大ピンチ」
  18. 10巻「たとえ胃の中、水の中」
  19. 17巻「かたづけラッカー」
  20. 1巻「みえないボディガード」
  21. 2巻「テストにアンキパン」
  22. 10巻「ハリ千本ノマス」
  23. 3巻「ペロ! 生きかえって!」
  24. カラー作品集5巻「自信ヘルメット」
  25. 11巻「もしもボックス」
  26. 29巻「宇宙探検ごっこ」など
  27. 最新ドラえもんひみつ百科
  28. 12巻「勉強べやの釣り堀」など
  29. 19巻「のび太の秘密のトンネル」20巻「アヤカリンで幸運を」
  30. 水田わさび版アニメ「雨男はつらいよ」
  31. 28巻「地平線テープ」、劇場版17作「ドラえもん のび太と銀河超特急」など
  32. 33巻「鏡の中の世界」
  33. 43巻「へたうまスプレー」
  34. 13巻「もどりライト」、カラー作品集5巻「未来から来たドラえもん」
  35. ドラえもん のび太の日本誕生』ほか
  36. 2巻「しずちゃんのはごろも」
  37. 5巻「のろのろ、じたばた」
  38. 28巻「しずちゃんの心の秘密」
  39. ドラえもん のび太の海底鬼岩城』ほか
  40. 34巻「変身・変身・また変身」、45巻「自然観察プラモシリーズ」、カラー作品集1巻「お話バッジ」など
  41. 34巻「変身・変身・また変身」、カラー作品集1巻「ゴロアワセトウ」ほか
  42. アニメ第2作1期「アメダスペン」
  43. 27巻、「○□恐怖症」
  44. カラー作品集4巻「みがわりペンダント」
  45. 28巻「いれかえ表札」
  46. しずパパ
  47. 8巻「ロボットがほめれば」
  48. 8巻「見たままスコープ」
  49. 45巻「ガラパ星から来た男」
  50. 12巻収録「ミサイルが追ってくる」
  51. 6巻「台風のフー子」、12巻「ペットそっくりまんじゅう」
  52. 24巻「おかし牧草」
  53. 3巻収録「ペロ、生きかえって!」
  54. コミックス12巻収録「はいどうたづな」
  55. 16巻収録「ドロン葉」
  56. 7巻「ウルトラミキサー」
  57. 27巻「職業テスト腕章」、『ドラえもん のび太と夢幻三剣士
  58. 20巻「雪山のロマンス」
  59. 3巻「ペロ!生き返って」
  60. 14巻「ヨンダラ首わ」
  61. 30巻「野生ペット小屋」
  62. 7巻「ウルトラミキサー」
  63. 12巻 「ミサイルが追ってくる」
  64. 第3回 しずかちゃん役 野村道子さん

参考文献他 編集

書籍 編集

  • 藤子・F・不二雄『ドラえもん』全45巻 小学館、1974年 - 1996年


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